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クロマニヨンCEOコラム:004 「ミッション」「パーパス」「ビジョン」・・・どれが正解?

先日、宣伝会議社主催の体験セミナー講師として、企業ブランディング最前線のお話をしたら、聴講者の皆さんから大好評を得ました。クリエイティブセミナーのカテゴリーでは、ブランディングというと、得てして”「商品」ブランドのコピーやデザイン”などがメインであるらしく、企業理念を主戦場とする私たちが考える、理念を言語化する重要性や、言語化までのプロセスは新鮮だったようなのです。なので、セミナー当初「これはテーマ無視じゃないかな?」という私の心配は、杞憂に終わったのでした。で!その最後の「質疑応答」の時間に、こんな質問がありました。

「私の会社も、企業理念をきちんと整理してブランドを確立していきたいと思っているのですが、近頃「ミッション」より「パーパス」だ!と書いてあるのを読みました。この「パーパス」という言葉は一過性のものにならないのでしょうか?「パーパス」や「ミッション」などの言葉は、どれが一番いいのでしょうか?」

無理もない・・というか、ごもっともな質問だと思いました。

企業理念・ブランディング界隈に、ここ2年くらいで急激に出現してきた「パーパス」という言葉。本屋やAMAZONで検索しても「パーパス・ブランディング」がらみの本はたくさん出ていますし、現に「SONY」は企業理念の最上位概念として「パーパス」を掲げています。

これまでも「ミッション」「ビジョン」「プロミス」=「MVP」などは一般的でした。みなさんは、どう理解されているでしょうか?

大切なのは、どの言葉を使うかではない。僕としての回答は「どれでもいい」です。

あなたの会社が存在する意義や目的を「パーパス」と表現しても、「ミッション」と表現していても、さらには昔から「ビジョン」と呼んでいても、それが不正解だ!ということでは、全くない。自分たちがしっくりくる言葉を選べばいいと思いますし、「パーパス」という言葉は流行感もありますが、直訳は「目的」なので直感的にわかりやすく「廃れる」ということはないような気がします。

それよりも! です。

それよりも、会社のブランド創りの根源となるその言葉で何を言うか?が最も大切です。我々は理念の根源となる「ミッション」や「パーパス」がどんな内容であるべきか?には、はっきりとした回答を持っています。「ミッション」や「パーパス」となる言葉は、「BE」ではなく「DO」であるべきです。どういうことか?「BE」つまり、自分たちはこうありたい!という表現よりも、今の時代は「DO」、つまり自分たちが社会に対して何を働きかけたいのか?ということを、最上位の宣言として言うべきです。

 

例えば(あくまで架空の言葉です)、

”高い技術への挑戦で、世界に尊敬されるものづくり企業になる!”

という「ミッション」を掲げたとする。確かに悪くない。しかしこれは、尊敬される会社になることがミッションになっています。今の時代は「共感」の強さが、ブランドの強さに直結する時代です。全く関係ない人々は「あぁ・・尊敬されたいのですね」となる。「尊敬される企業になる!」は自分たちだけの視点であり、だからこれは「BE」と言えます。その会社の、最上位概念としては独りよがりすぎる気がします。

 

これに対して、

”ものづくり技術で、日本のフードロスを無くしていく!”

だったら、どうでしょう?あなたが環境問題に取り組みたい研究者の若者だったら、どちらの会社にいきたいですか?投資家であれば、どちらの株を買いたいですか?つまり、社会の課題に何をしようと考えているのか?つまり「DO」の言葉です。

今は「DO」を企業の存在意義として掲げるべきだと思います。
多くの実態分析や社内共感を必要とする実際の言葉づくりは、こんな単純な話ではありませんが。理想は、最上位のミッション(パーパス)として、

”ものづくり技術で、日本のフードロスを無くしていく!”

を掲げながら、そのミッションを達成するために、会社としてのありたい姿(ビジョン)や価値観(バリューとか)として

・常に技術の革新へ挑戦し続ける。
・高い倫理観を持ち世界に尊敬される企業を目指す。

という項目を持つのが理想だと思います。何度もいいますが、多くの実態分析や社内共感を必要とする実際の言葉づくりは、こんな単純な話ではありませんよ(笑)。

世の中、少しづつ「ブランディング」が当たり前になってきました。
その中で、自社もブランドになるために取り組むのはすばらしいことだと思います。そして、外側だけかっこよくするのではなく、きちんと企業の存在意義を表す言葉を作ることからスタートしましょう。

その時に、多くの共感を得られる、
あなたの会社だからこそ言える「DO」の言葉を研ぎ澄まして欲しいと思います。

また、書きます^^

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