新企業理念をデザインとして具現化する「ホンダカーズ博多」新社屋サインデザインプロデュース。
「人と街が、前に進む力になる。」をテーマに新社屋のサインをデザイン | 福岡県新宮町
「ホンダカーズ博多」社のブランディング・プロジェクトは、以前この「WORKS」でも紹介しました。
その第一フェーズとしての「新企業理念」の策定に続き、次のフェーズとして自らのアイデンティティを独自のデザインで表現する最初として「新企業ロゴ」を制作しました。そして今回は、同社の巨大かつ挑戦的なデザインの新しいショールームと新社屋の建設に合わせて、企業ブランディングを視覚的に展開するサインデザイン全般を、来場されるお客様はもちろん、そこで働く社員の皆様にも誇りと自信を持っていただけるようなサインデザインをテーマにプロデュースさせていただきました。
今回も、引き続き「DIAGRAM」の鈴木氏とパートナーを組み、新社屋のデザインを手がけた「CASE」の一ノ瀬氏、そしてクライアントとなる「ホンダカーズ博多」の武藤常務のチームでプロジェクトを組み、広大な敷地かつ複雑な造りの社内に機能的かつブランドアイデンティティをどう確立するか?をテーマにして作業を進めました。
まずは「ホンダカーズ博多」の新ロゴデザインを元に、の鈴木氏に屋内サインをデザインしていただきました。さらに、そのデザインの「世界観」を、キービジュアルとして創りあげることで、全てのサインの基本的なイメージが決定しました。
企業理念の”パーパス”である「人と街が、前に進む力になる。」を強いメッセージとして出し、今回策定した「夢のカギを渡す場所。」という同社の提供価値を具現化するためには、どのような要素が必要なのかを議論しました。
こうして創り出された世界を元に、現実の新社屋の完成に合わせてデザインを進行させていきました。しかし、全ては図面上での想定であり、建設の進行と並行させていく調整作業は非常に大変でしたが、ここは一ノ瀬氏と、鈴木氏了チームのプロの力に非常に助けられました。
こうした作業を経て、2024年11月23日に新社屋が竣工しました。
巨大な長方形を交差させたような大胆なデザインの建物の中には、長さ約70mのショールームをはじめ、同社本社機能を持ったオフィス。そして、今まで厳しい気候の中で作業されていた「ファクトリー」が、完全冷暖房完備の室内に組み込まれました(個人的に九州一かっこいい整備工場ではないかと思ってます!)。
【サービス・ピット:英語でPURPOSEが表記されています。】
【サービス・ピット:No.1〜No.10まであるファクトリーブース】
いわゆる整備工場は、大胆なサインデザインで展開。少し男の子っぽいですが、海外のファクトリーにいるような雰囲気です。工具もすべて格納できるようなものになっており、サービスマンたちも一段とかっこよく見えます。
【ショールーム内 商談スペース:理念の世界観を壁面いっぱいにデザイン】
一階ショールーム内の商談スペースの巨大な壁には、同社の理念の世界観をこれまた大胆にデザインしていただきました。そして、これはいわゆる「黒板塗装」でしあげてあります。「お子さんが、自由に落書き・お絵描きできるようにしたい!」というのは、ホンダカーズ博多:武藤常務のアイディア。週末は実際に子供達の絵でいっぱいになるそうです。
この2階の「イグニッション・ラウンジ」は、同社のブランドを体感していただきたい!というスペース。
このスペースには、「HONDA」の昔の広告や、同ブランドのムービーが流れています。そして2階からは、カッコいい整備工場が一望できます。この看板にあるように、子供たちがクルマに関心を持ってほしい、クルマを通じてコミュニケーションが生まてほしいという願いが込められています。電気自動車への流れの中で、あえて「イグニッション」っていいなと思っています。
ブランディングの最優先事項は「言語化」だと我々は、常々言っています。
そして次のフェーズは、言語化したことを内外に「浸透」させていくこと。その時に「正しいデザイン」は大きな力を持ちます。今回のプロジェクトは大規模にデザインの力を使っていくど真ん中の事例になります。
もちろんこれで終わりではありません。理念の言葉、そこから導き出されたデザイン。これを活かしながら今後も同社のブランディングは続きます。
建築デザイン/監理:一ノ瀬勇(CASE)
Design : 鈴木直之(DIAGRAM)
Produce&Direction:小柳俊郎・野中聡(CROMAGNON&Co.)
- CLIENT
- 株式会社ホンダカーズ博多
- WEB
- https://www.hondanet.co.jp/hondacars-hakata/