人と街にあかりを。自らの存在意義に行き着いた「COMATSU」企業ブランディング

福岡市に拠点を置く、「株式会社 COMATSU」。

同社は、福岡の若者たちで知らない人はいないであろう大人気の洋風居酒屋「COMATSU（コマツ）」を天神や博多、東京などで展開しています。

また、福岡県岡垣町発で「FUKUOKA CRAFT BREWING」ブランドを、メキシコ料理店の「エルボラーチョ」と共同で展開しており、福岡の代表的なクラフトビールブランドの一つとなっています。

その「COMATSU」の創業者 松村社長から、企業ブランドについてのご相談をうけたのが、2023年の2月。今はもちろん当時も、どの「コマツ」もお店は大人気な上に、クラフトビールも様々なお店がコラボレーションしている好評ぶりでした。すべて順調そうな松村社長の相談は「ここから、次のステップに行くために会社をバシっ！としたいんです！」という気持ちが溢れるもの。早速「会社をバシっ！とするための方策」をご提案し、プロジェクトがスタートしました。

全社員で行き着いた「コマツ」の存在価値とは？

松村社長が想う「会社をバシっとする」とは、「COMATSUグループ」が未来に向けて、どんな方向へ進んでいくのか？どんなことを大切にして、経営していくのか？をしっかりと言語化するということ。現在も多くの人気店を運営しつつ、商業施設などからのオファーや、九州以外への進出計画が進む中で、しっかりと「我々は、こんな会社です！」と自信を持って、社員全員で言える言葉を持つことで、企業として明確なブランドを作っていきたいということです。

クロマニヨンは約１年間を目安とした、COMATSU社向けのオリジナルのブランディング計画を提案し、プロデューサーの金井を中心にプロジェクトを進めていきました。

プロジェクト期間で、最も松村社長が印象的だったと言われていたのが、全社員での「ワークショップ」。
普段は、どうしても毎日の業務もあり「自分たちの会社について」なんて、正面切って話すことはなかなか無い。特に現場の若手と、幹部社員も混ざって「反対意見なし」「否定なし」の約束のもと色々なことを言い合うシーンは、日常的に会社組織について考える社長には、非常に感慨深いものがあるようでした。

（COMATSU全社員によりワークショップ。一番盛上がる質問を準備し開催しました。）

その後、ブランディング・プログラムは順調に進み、段階ごとの提案と議論を重ねて、2023年の秋に「COMATSU」の経営理念体系が決定しました。

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【COMATSU  企業理念体系】

PURPOSE

一期一会の飲食サービスを通じて、

人や街を動かす原動力となり、

集まる人が輝くコミュニティを創造する。

VISION

いつ訪れても、誰とでも、
心おきなく楽しめるお店づくりで、
街のにぎわいや成長に必要な飲食グループへ。

VALUE

・お客様に絶対楽しんでもらおう、喜んでもらおう
・自分がされて嬉しいことをお客様にしよう。
・自分が輝けば、周りも輝き街も輝く。いつも輝きの真ん中にいよう。
・仲間と一緒に仕事で輝ける努力をしよう。
・人と街と時代の流れを感じ、お店づくりを考えよう。
・昔から続いていること、新しいことのバランスを大切にしよう

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この経営理念をご提案した時、松村社長と幹部スタッフの皆さんが一撃で賛同していただけたのが、非常に印象的でした。経営者の皆さんの想いや、社員の皆さんとのワークショップから抽出されたCOMATSUの存在意義は、飲食店として美味しい料理やお酒を提供するというのはもちろん、その先に、お客様や働く人など”ここに集まる全ての人が輝くコミュニティを作る”ということを目的にする！というところに行き着いたのです。なんともCOMATSUらしいと、自分でも思いました！そして、それを起点としたVISIONとVALUEは、社員スタッフが、一番わかりやすい言葉で作り上げました。今後「COMATSU」は、これらの言葉を内部に浸透させ、それを元に外部への発信を一貫性を持って進めていくことになります。

さらに、その理念を一撃で表すスローガンはこれです。

COMATSUに集まる人は輝き、お店がある街は明るくなる。いや、そうする！という決意と目標。これが会社の「合言葉」になることを期待しています。

新経営理念を起点とした企業ロゴデザイン

次に着手したのは、COMATSU社のロゴデザインです。お店ごとのロゴや雰囲気を作るのはお手のものの同社ですが、大元となる「企業ロゴ」をこれを機会に弊社と「デザインシステム」ごと創ることになりました。

◆企業ロゴタイプ
シンプルかつ視認性と耐久性を一番重視してデザイン。また、理念が「コミュニティを作る」と宣言していることから、社名の「COMATSU」に”&COMPANY”の意味を表す「&CO.」を加えて、商標としました。

◆シンボルロゴとロゴタイプ
シンボルロゴは「C」をモチーフに、同じく理念にある「集まる人が輝く」という言葉を元にデザインしました。

◆コミュニケーションマーク
さらに、このデザインを元に「コミュニケーションマーク」をデザインしました。これは、オーダーされていたわけではないのですが、スタッフの制服やグラスを置くコースターなどへの活用を想定しています。
これらの言葉やデザインは、まだ生まれたばかりです。しかし、これで全力で企業ブランディングがスタートできる。松村社長はじめ、幹部の皆さんが口を揃えて「これから楽しみです！」と言っていただけましたが、ここまで積み上げられたのは、COMATSUの皆さんの想い。結局、トップをはじめ、全社一丸でやることが大切であり、価値があるとあらためて感じたプロジェクトでした！

皆さん、今日は街でお食事ですか？
ぜひ、COMATSU へ！！

総合プロデュース：小柳 俊郎（CROMAGNON&Co.）
プロデューサー：金井隆太（CROMAGNON&Co.）
スローガン・ステートメント：松田正志(文と絵)
ロゴデザイン：家永啓介(ミカドヤ)