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クロマニヨンCEOコラム:008「いつのまにか」

あなたのお家には「急須(きゅうす)」はありますか?

僕が子供のころは両親も、祖父母もやたらと「お茶いれようか」とお茶を急須で淹れていました。今も実家に帰れば、両親が座る側にはポットと急須セットがおいてあり、朝も夜も食事が終わればお茶が出てきます。

今も覚えているのは、35年ほど前 祖父母の家に「高校合格したよ!」って、僕が報告に行った時、おじいちゃんが喜んで「おばあちゃん、いいお茶淹れようか」と言ったこと。おばあちゃんはその言葉を受けてサイドボード(と呼んでいた)の奥から、重厚な茶筒を取り出して「いいお茶」を淹れてくれたのでした。

しかし。

クリナップさんが2020年に発表した「キッチン白書」によると日本で「急須」が家にある世帯は、驚くべきことに、もう60%を切ろうとしているのです。特に30代以下の夫婦世帯の70%には「急須」がない。八女茶の地元、八女市の小学生に「急須」を見せたら「何これ、かわいい!埴輪(はにわ)みたい!」と言った「事件」があったとも聞きました。「急須」を見たことがないのです。


(クリナップ「キッチン白書2020」より)

 

では、日本人は日本茶を飲まなくなったのか?

そんなことはありません。2000年に日本の家庭1世帯あたりが「日本茶」に使ったお金は、年間11,000円。そして2017年に使ったお金も10,800円とほぼ変化なし。では、何が起こっているのか・・・? そうです。日本茶は「ペットボトル」で飲む時代になったのです。

 

1990年に伊藤園さんが初めて「ペットボトルのお茶」を発売した時は、まだ違和感しかなかった。しかし、キリンさんが2000年に「生茶」を発売し、サントリーさんが2004年に「伊右衛門」を出したあたりで、ゲームチェンジが起こってきたのです。

八女茶は2023年に、発祥600年を迎えるとのこと。そのうち580年くらいの間は、お茶は急須で飲むものだったのが、気がつくと老若男女がペットボトルのお茶を持っていたのです。

これで何が変わったのか?

この変化で何が起こっているのでしょうか?
そうです。生産される茶葉のニーズが急須で飲む「食材」から、飲料メーカーがペットボトル用に使う「原料」へとシフトしていきます。そうなると、大規模な茶畑を機械で一気に大量に生産するお茶生産者のニーズが高まっていきます。

では、我らが八女はどうかというと・・・

八女茶は、全国の茶葉生産量シェアでいうと「約2.3%」しかありません。

初めて聞いた時、すごく驚きました。もっと20%くらいあるものだと思ってました。では、この極めて小さな産地である「八女」が、こんなに有名なのはなぜかというと、それは先人たちが「山間の小さな畑が重なる八女では、量では勝てない。我々は圧倒的な品質だ」と決めて、壮絶なこだわりと執念でここまでやってきたからでした。
八女の土地と優秀な生産者が、本当においしいお茶を作ってきたのでした。

今、急須保有率が減少し続け、僕のおじいちゃんが「いいお茶を淹れよう」と言ったようなシチュエーションが消滅していくこの国において、「原料」としての日本茶をつくるお茶農家しか生き残れなくなってきているのです。特に、そのニーズにこたえてきた極小産地の「八女茶」は、本気で考えなくてはいけない。国民が突然「急須」を買い始め、コーヒーをやめて日本茶を淹れる・・という世界は戻ってこないでしょう。

 

最高品質の「日本茶」を世界に問う。
今、八女茶がやろうとしているのは、世界で「YAME」という名をブランド化すること。

日本は飲食店において、お茶は「無料(タダ)」の意識が強く、1杯のお茶にお金を払っていただくのは、なかなか厳しい。しかし、日本茶の生産を垣間見ると、ワインなどと同じように生産者は人生をかけている。その凄さを世界の人々に発見していただければ、小さな八女の産地だけではなく、全国の日本茶農家も新しい希望が見える。

「ボルドー」と聞けば、美味しい「赤ワイン」が浮かびます。「シャンパーニュ」と聞けば、黄金色の「スパークリングワイン」が浮かびます。この2つは「地名」ですよね。地名がブランドになっている。

我々は、

「YAME(やめ)」と聞けば「最高品質の日本茶」

・・・という意味が、世界中の人々の頭の中に浮かぶ世界を作りたい。

そのために、最高峰の世界中のレストランに八女茶最高峰の「八女伝統本玉露」で抽出したワインと同じオペレーションで提供できる「ボトリングティー」を少量生産し、世界にそのニーズを問うてみることから始めようということで、八女伝統本玉露「YAME」という超高級ボトリングティーを開発しました。

世界は、富裕層を中心に「ノンアルコール」のニーズが拡大している。一方それに答える真打的なドリンクの存在がまだ無いというチャンスも狙っています。

 

 

”八女茶ブランディングプロジェクト”

 

 

【プロジェクト・スローガン】

日本茶の革新を。

 

【プロジェクト・パーパス】

常に最高品質を追求し続ける八女茶が

日本茶の可能性を追求し続け

世界に新しいお茶の価値を産み出す。

 

【プロジェクト・ビジョン】

八女茶が、そして日本茶が

100年後も確固たる存在として

世界の人々に愛される。

あ、お茶にそこまで興味の無い方、申し訳ありませんでした!けど、少しだけ今後の八女茶に注目してください。
超高級ボトリングティー「YAME」ファーストプロダクト限定100本。残りわずかですが、ここから買えます。

今回も、ありがとうございました。

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