クロマニヨンCEO 小柳コラム:001 昔のオッサンの娯楽が再編集されていく。
昔のオッサンの娯楽が再編集されていく
先日の日曜日のこと。だらだらしてたら、午後も深い時間に。このまま日曜終わるのもな〜と思い、意を決してランニングウェアに着替え、車に着替えを投げ入れて向かったのは福岡市南区花畑にある「ふくの湯 花畑店」。
おもむろに駐車場に車を停めて、桧原運動公園まで往復RUNして汗だくでお風呂へ。「ふくの湯ブランド」はサウナもデカくて、屋外スペースの巨大な炭酸風呂を売りにしていて、福岡の最高峰は「新宮店」と言われているけど、我が家に近い「花畑店」もきれいで好きだ(どうでもいい)。
で、サウナに入る前に「下茹で」のために湯船につかった時、まだ幼稚園の年少ほどの小さな男の子が、お父さんに連れられてきた。お父さんが最初に湯船に入り、そしてその幼い少年も、ニコニコしながら湯船に肩までつかった。私は、ほぼ気にもとめず今日のサウナは3セットだと決めて立ち上がろうとすると、不意に少年がこう言った。
極楽♪ 極楽♪
イーロンマスクが宇宙旅行をネットで売ろうと言う時代に、3~4歳くらいの少年が風呂を「極楽」と表現した。しかも、ちゃんと2回、しかも節をまわしてつぶやいたのだ。
今ドキどこで、そのフレーズをすりこまれたんだ!と驚愕しながら、頭に浮かんだ言葉は「このガキ、オッサンか?」・・・だった。
しかし、その後「ふくの湯 花畑店」のスタジアムサウナ最上段に座りながら考えた。今、若いオトナたちがこぞって楽しんでいるものは何か?と。流行っているのは何か?と。
今、世の中で流行ってるものは・・
サウナ キャンプ ゴルフ・・・
これって・・・よ〜考えたら、オッサンやん。
そう言えば、先日実家に帰った時に、自慢のキャンプギアで山にキャンプ行った話や、頻繁にサウナに行く話をしていたら、87歳になる親父は僕にこう言った。
「おまえも、おっちゃんになったな」
たしかに、私は年齢的にもおっさんだ(😭)。
しかし言いたいのはそういうことではない。しかし、よく考えたら、自分の父親がそう表現するのは、全く不自然ではない。サウナとキャンプとゴルフは、我々の親父世代が現役の時のスーパーメインな「サラリーマンの楽しみ」だった。
【サウナ】
・・というより「健康センター」という名の大規模銭湯が大流行したのもこの頃だった。
【キャンプ】
・・というより「野営」。親父たちは川に釣りに行き、手作りに近いギア・・いや「キャンプ道具」で、自然の中で楽しんでいた。
【ゴルフ】
・・は、男たちの究極の接待イベントだった。
ナイスチョット!いやんバンカー!人生ホールの19番♪ なのだ。
そんな世代の人間にしてみれば、今のこの「3大 俺たちの娯楽」に、今の若者たちがこぞってハマっているのは不思議で仕方ないかもしれない。というか、みんなオッサンになっていると見えているのかもしれない。
「ONE SAUNA」をやってる宮原秀雄くんともこれについて話してて、これは従来の楽しみ方を「Re edit=再編集」したと表現してくれていたけど、やはり「編集のしどころ」がどこにあるのかが重要だと感じた。
まず・・・
「サウナ」の「Re edit」は「言葉」だと思う。
おなじみ「ととのう」という言葉の捉え方、感じ方、理解の仕方は、コロナワクチンの副反応並みの個人差があるのではないだろうか?
しかし、それがどうあれ「ととのう」という「合言葉」のおかげでサウナが共有されやすくなった。結果、効果効能の認知の広がりから、とんでもないサウナ施設が出現し、反動で老舗のサウナが聖地化するという、完璧なカルチャーのサーキュレーションがおこっている。
「キャンプ」の「Re edit」は「ギア(道具)」だと思う。
コロナ禍の元、唯一マスクをしなくて(もいいのではないか・・?)と思える数少ない娯楽に、自然の中で楽しむキャンプがあることに気づいた瞬間、ミーハーな僕らは「ギア(道具)」を購入しなければ!という大好きな「購買行為」を肯定できたのだ。「ギア(道具)」さえあれば自然嫌いの奥様にも快適に過ごしてもらえる。「ギア(道具)」さえ揃えれば、孤高のソロキャンパーも演出できる。
旅行も行けない。飲みにも行けない。高い服を買っても見せる場がない。そんな我々は、ヘレナイフの「ディディガルガル」に3万円払うのにも躊躇は感じない。キャンプとは、閉塞した社会で自分を表現できる最高の「プラットフォーム」になったのだ。
「ゴルフ」の「Re edit」は「気づき」だと思う。
もう15年ほど前。某名門ゴルフ場(プレイ代金込みで、余裕の2万円越え)に先輩に連れていかれて、いざスタートしようとすると、ベテランおばちゃんキャディさんに「お客さん。シャツはズボンに入れてもらわないと、まわれませんよ」と、まるでアメリカの税関で入国書類に不備があるやつのような雰囲気で言われたトラウマがある。そして、先輩たちも「仕方ない。ゴルフとはそういうものだ。」という空気で責められた。
しかし、ここにきてコロナで人々は色々気づいてしまった。無駄な通勤、無駄な会社手続き、無駄な会議に無駄な上司。ここに来て、一気に広がる「イケてるゴルフカルチャー」の勃興は、こうした日本のゴルフの当たり前は何かダサい・・という「気づき」により再編集されていると思う。確かに紳士のスポーツでそういう決まりだからはわかる。しかし、ハワイでは短パンで自由に回るゴルフもあるのだ。そのことに気づいた、クリエイターたちが、俺たちはもっと自由にゴルフをしたい!おしゃれにゴルフをしたい!と素直にクリエイトしてくれている。その流れで、ゴルフが楽しくなってきた。
この先どんどん自由な感じでゴルフを楽しめる場所も増えると思います。ちなみに僕はタングラムとブリーフィングゴルフとTFW49に夢中です。
そして、サウナもキャンプもゴルフも、いい塩梅で面白い。
難しすぎない。
キャンプは設営で70%くらい満足する(笑)。
ゴルフも各自の「下手の範囲」を皆で許容するスポーツだ。
サウナに関しては、上手い下手を他人に評価される余地すらない。
波風たてたくない、昔からの日本のオッサンたちが独自のカルチャーを形成してきた3大娯楽を、今のオトナたちが上手に再編集してるのだ。
僕も、ブランディングのいろいろなお仕事の相談やお話にふれていると、こうした「再編集」文脈で、いくらでも面白くなるし、再認識されるものがたくさんある気がする。クロマニヨンでやらせてもらった福岡の「愛とうなぎ」も「うなぎ屋さんはこうあるべき」を完全に再編集したもの。何が自分にとって「うなぎ屋」の既成概念だったか?を答え合わせしてみてください^^。
けど、この時代、まずは自分自身の「Re edit」を考えてみますか。
ブランディング ・カンパニー「CROMAGNON&Co.」の代表 小柳がウザくない程度にお送りするメルマガ「CLUB SAPIENS」にぜひご登録ください!
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