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コロナを経て”老いを生きる”ことの本質へ。シニアレジデンス「トキノワ」ブランディング

老いても自分自身を生きたいと願う人々が集う、新しい価値観で誕生した全木造建築シニアレジデンスのコンセプト&ロゴデザイン | 筑紫野市

福岡県は筑紫野市の「湯町」というエリアは、1000年以上の歴史を誇る「二日市温泉」がある場所です。
クロマニヨンでは、そこに新しく誕生した、シニアレジデンス「トキノワ」のブランドコンセプトの言語化と、それを元にしたロゴデザインシステム、オフィシャルホームページ制作までの施設ブランディングを手掛けました。

 

本プロジェクトのスタートにあたり、クロマニヨンでは、同施設を計画する企業「祐拓開(ゆたか)」社:山岡代表へのインタビューを幾度にも渡り実施しましたが、ブランドの根幹となる「なぜこの施設を作るのか?」をお聞きすると、非常に重く切実な話をお聞きすることになりました。

同社は、過去20年にわたり2つの老人福祉施設を運営してこられたのですが、そんな中起こったのが2020年「新型コロナウイルス」の世界的な感染拡大でした。このコロナ禍の制限で、老人福祉施設も例外なく外部との接触は遮断。入所されているお年寄りの方々には、施設スタッフですら満足にお世話することができないだけではなく、寿命尽き、最期の瞬間を迎える時も、最愛の家族(お子さんや、お孫さん)の皆さんと最後に直接会うことも許されず亡くなっていかれる方を目の当たりにしてきたことなどをお聞きしました。また、制限=管理を厳しくするという苦渋の選択の毎日を積み重ねるうちに「何もかも仕方ない」というあきらめの感情が、どんどん人間を弱くしていくことも感じたとお話しいただきました。

山岡代表はこの経験を経て、施設といえども自分の責任と判断が最大限尊重され、それにもとづいて行動できる場所。しかもそれでありながら安心安全に暮らせる・・・そんな場所を必要としていらっしゃるシニアの方は絶対いらっしゃると考えるようになったとのことでした。

その想いの末、2023年12月に完成したのが、5世帯の長屋が2棟という施設。まるで戸建てのような、一軒一軒が違う家屋がくっついたような総天然木造長屋2棟が、真ん中に建つ全入居者の社交にも使えるような大きな母屋を囲む形の施設になりました。この施設の建築デザインは「CASE」の一ノ瀬氏。その図面を、見事な木造建築として具現化したのは「安恒組」の安恒社長。

現場に行くと、ものすごい建築物になっています。

山岡代表の生きる本質とも言えることへの想い。
建築デザインの一ノ瀬氏のイメージ。
見事な手仕事で組み上げられた、安恒組みの技術。
1000年続く温泉地という立地。

代表に加え、一ノ瀬氏、安恒氏にもインタビューをして、数々の柱となる言葉を抽出しました(両者の建築に対する思いも、ホームページ上にインタビューを掲載)。そうして考案した、たくさんのネーミング案から「人生の時間を止めたくない」という代表の言葉と、人生とは人と人の輪があってこそ豊かになるという思い。それを織りなす場所として「トキノワ」という名称に決定しました。同時に、ブランドステートメントも構築。そこにこめられた想いと、トキノワの響きをもとに、ETTO DESIGNの安藤 真己さんにロゴデザインを依頼。時計にもみえる丸いシンボルは、後半の時間にいくほど線が太く豊かに力強く描かれたシンプルなデザイン。こうして一気にブランドの基礎を創りあげました。

【施設のブランドステートメント】

今回のプロジェクトで感動したのは、施設全体を作り上げたチームワークでした。途中、実際に使用する木材を、全員で塗装したり、完成時の開所式では、代表から「感謝状」が送られるなど、本当に皆さんの心と時間が「和」となり「輪」になって完成した施設だと実感しました。

入所される方は、じっくり面接して理解を深めて決定していくとのこと。みなさんの周りにも、興味がある方はぜひ。

シニアレジデンス「トキノワ」

 

 

プロデューサー:小柳 俊郎(CROMAGNON&Co.)
コピーライト:松田 正志(文と絵)
ロゴデザイン:安藤 真己(ETTO DESIGN)

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WEB
https://tokinowa.life/

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